2009年5月22日金曜日

ヨーロッパ議会選挙ちかづく

 来月早々、ヨーロッパ連合加盟国27カ国では、ヨーロッパ議会の議員選挙が行われます。5年に一回の選挙です。
 785の議席に対して、各国で、人口数に比例した議員の数だけ、その国の候補者の中から国民の直接選挙で選ばれます。
 ちなみに、大国であるドイツからは99人、フランスからは72人、オランダからは25人の議員が選ばれます。
 興味深いのは、各国からの政党代表者は、ヨーロッパ議会では、8つに分かれた政党グループに分かれることです。オランダの場合、国内政治では、別の政党である自由民主党(VVD)と民主66党(D66)は、ヨーロッパでは、ALDEという、自由民主政党に共に入ります。また、オランダの「キリスト教民主連盟(CDA)」は、オランダでは、現在労働党とともに政権を握っており、どちらかというと左よりの姿勢が今のところ主流といえますが、これは、イタリアでは、かなり保守的であるとみられているベルロスコーニの政党フォルザ・イタリアと協働することになります。
 ヨーロッパのレベルでは、7政党と無所属独立の8つのグループに分かれることになりますが、国によっては、8つの政党がない場合もあるし、イギリスのように、二党政のところもあります。
 ですから、選挙民にとっても、投票の際に、国内政治とは、ちょっと異なる観点を持ち、ヨーロッパレベルでの議題などを考慮して、やや異なる判断基準を持たねばならないことになります。

 面白いのは、国内では、反ヨーロッパ連合の勢力も、ヨーロッパ議会に参加しないわけにはいかない、という点です。たとえば、オランダで、移民排斥の議論をして支持を集めている、ウィルダーズの自由党、フランスのル・パンの極右政党などなどです。こうした政党は、一般に、移民排斥とともに、ヨーロッパ連合にも懐疑的であるのですが、ヨーロッパ議会に参加しないで、議論の外にいるわけにはいかない。

 オランダでは、六月四日に選挙があり、七日までにほとんどの参加国が選挙を終えるはずです。